【酒田市美術館・佐藤真生の世界展「 間 (Ma) 」】
【酒田市美術館・佐藤真生の世界展「 間 (Ma) 」】
酒田市美術館では現在、佐藤真生の世界展「 間 (Ma) 」を開催中ですが、酒田市出身の佐藤真生(まさお)さんのあいさつ文を、一部抜粋してご紹介します。
「故郷が教えてくれたもの」
子どもの頃は、4歳上の兄や近所の友人たちと暗くなるまで遊ぶ毎日でした。家から自転車で10分ほど行けば海が広がり、丘の上に白い灯台が立つその砂浜にはいろいろなものが漂着していました。私は、珍しい漂着物を探しながら砂浜を散策するのが好きでした。今思うとあの砂浜が私の最初のアトリエだったのかもしれません。
その後精力的に作品制作を進めていく一方で、自分が向かうべき美術の将来は真っ暗でした。目標もないまま、焦りと自問自答を繰り返す日々。私は、答えを求めひとり故郷に戻り、子供の頃遊んだ学校や空き地、公園、砂浜などのスケッチや写真を撮りながら何日もただ彷徨い歩き続けました。故郷の風を感じ波の音を聞きながら…。すると一瞬の静寂の中、徐々に身体の奥底の方から湧いてくる力を感じ「この原風景の表現に取り組んでみたら…自分は自分でしかない」と自覚したのです。この不思議な体験によって自分の精神の「故郷」を見つけることができた時、画家としての道も開かれました。それは21歳の秋の決意でした。
まもなくお盆の時期。帰省したご家族と美術館にお出かけして佐藤さんの世界に触れ、皆さんがそれぞれ心に持っている、酒田の原風景を探してみてはいかがでしょうか。
なお今回の展示では、展示室内が撮影可能です(フラッシュ撮影・自撮り棒は禁止です)。
酒田市美術館のfacebookページもご覧ください。
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