【未公開彫像の保全活動の実際】

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【未公開彫像の保全活動の実際】
開山600年の名刹、曹洞宗総光寺の協力を得て、5月21日の日曜日、「木像彫刻の保全の調査の実際」と題したワークショプを開催しました。現在非公開の十六羅漢像の塵埃除去と木像の由来を示す墨書(ぼくしょ)の有無について、一般参加者が実際に現場でそれを体験します。今回、ワークショップをナビゲートしてくれたのが、松山文化伝承館の学芸員の岡部さん。「紫外線や、生物的汚染、災害や盗難など、文化財に対する脅威はいくつかあるが、一番の脅威は人々の無関心である。」ワークショップに先立つ座学で語ってくれた学芸員の一言が胸にしみました。
その後、一行は、普段閉鎖されている山門高楼に会場を移し、羅漢様と対面。ゴーグル、マスクに塵埃除去用の刷毛という出で立ちで、一体一体御身ぬぐいをして行きます。半日の作業の後、綺麗になった台座やお身体の墨書調査。残念ながら由来書きは出てきませんでしたが、16体のうち約半分の台座から、墨で書かれた漢数字を発見しました。
日本の十六羅漢は、中国のそれと違い記号的な特徴がかなりあやふやになってきており、お姿だけでは、それがどなたなのかわかり難いです。羅漢様はお名前と別に第一尊者から第十六尊者まで数字で呼ばれることがありますから、それを表す漢字なのかしら? 素人が拙速に答えを出すこと避けねばなりませんが、総光寺にある地域の宝にまた一つ、ミステリアスな魅力を見つけた週末の午後でした。

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